オセロバリエーション紹介

オセロバリエーション紹介:草場純   (転載:94/01/17 FGAMEより)
 
 オセロバリエーションは、農工大の小谷善行氏が、1983年4月にパズル懇話会で発表したものである。

 オセロは本来のゲームの名前をリバーシ、またはリベルシと言い、19世紀にイギリスで特許が取られている。このゲームに「オセロ」と命名したのは、長谷川四郎氏と聞いている。

 さてオセロはOthelloと綴る訳だが、これを小谷氏は、 OSEROとわざと誤読した。なお語頭にはブランクが入る。
 そしてブランクは、「そこに石を打つ」意と解し、OはOwnつまり自分の石、SはSetつまり「石を裏返す」、EはEnemyつまり「敵の石」と解し、RはResetつまり「裏返さない(そのまま)」の意と解した。これで OSEROを解読すると、( O)(SE)(RO)となり、(自分の石を打ち)(敵の石を裏返し)(自分の石を裏返さない)となる。自分の石(黒石としよう)を打つことを*で表すと、*○●と打つと、●●●となることをOSEROという単語は表現していることになる。なんという卓抜なアイディアであろうか!!!

 この素晴らしいアイディアは、ドミノをド-ミノと誤読して、モノミノ、ドミノ、トロミノ、ペントミノ、テトロミノ、・・・・というポリオミノ族を創造したことにも比肩される卓抜なものと思う。
 この解釈でオセロを定義し直すと、「オセロとは、自分の石をうち、他の自分の石(これは裏返さない)との間の敵の石を裏返すゲーム」となる。オセロのルールをこのように論理的に説明されたのは初めてであった。ははは。

 さてでは、オセセ、オセソ、オセレ、など、オで始まるオセロバリエーションのほんの一部を紹介しよう。

    名称       こう打つと    →    こうなる
    オセセ       *○○     →     ●●●
    オセソ       *○●     →     ●●○
    オセレ       *○○     →     ●●○
    オセロ       *○●     →     ●●●
    オソセ       *●○     →     ●○●
    オソソ       *●●     →     ●○○
    オソレ       *●○     →     ●○○
    オソロ       *●●     →     ●○●
    オレセ       *○○     →     ●○●
    オレソ       *○●     →     ●○○
    オレレ       *○○     →     ●○○
    オレロ       *○●     →     ●○●
    オロセ       *●○     →     ●●●
    オロソ       *●●     →     ●●○
    オロレ       *●○     →     ●●○
    オロロ       *●●     →     ●●●
    オオセ       **○     →     ●●●
    オセオ       *○*     →     ●●●
              ↑この列のアスタリスクは、出てます? ここに自分の石を打つわけです。

 さてエソレを考えてみよう。ブランクを*で表すと、エソレは*ESOREとなる。*E-SO-REだから「敵の石を打ち、敵の石との間の自分の石を裏返す」ゲーム、すなわちオセロのミゼールになるわけだ。

 やってみると凄いことに、殆どがゲームになる。中には初形を少し変えなければならないのもあるが、中にはオセロより面白いのもある。
 実際にプレイしようと思った人は、リバーシの8×8の盤ではなく、6×6の盤でプレイすることをお勧めする。これならつまらなくても、すぐ終わる。
                                                                                                        以上

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