めくりかるたの原型 (1995/01/31 FGAMEログより)
『博奕仕方風聞書』は寛政初年頃の写本で「未刊随筆百種」第二巻に 収録されている。尾佐竹猛氏の『賭博と掏摸の研究』、清水行恕氏の 司法資料「定形ある犯罪の調査」と並んで、司直の手によるゲームの 報告書として、ゲーム史上の資料価値は計り知れないものである。 この中に、「めくり博奕仕方」はある。
では、「博奕仕方風聞書」に依ってめくりかるたのルールを述べてみよう。
まずカードは「めくりかるた」48枚である。 点を述べる。50点札が10枚、20点札が2枚、10点札が12枚で、残りの24枚は0点である。 現在の花札の、20点札5枚、10点札9枚、5点札10枚、1点札24枚と比べてみると面白い。
数字の順にいこう。 1 アザ(クラブA)50点、ピン(スペードA)10点。残りの2枚は0点。 2 太鼓の二(スペード2)50点、青二(クラブ2)50点、海老二(スペード2)10点、 唇の二(ハート2)0点。 3 青三(クラブ3)50点、赤三(スペード3)10点。残りの2枚は0点。 4 青四(クラブ4)50点、赤四(スペード4)10点。残りの2枚は0点。 5 青五(クラブ5)50点、赤五(スペード5)10点。残りの2枚は0点。 6 青六(クラブ6)60点、赤六(スペード6)10点。残りの2枚は0点。 冒頭に書き忘れましたが、60点札が1枚ありました。したがって、 すべた(カス札)は、23枚ですね。 7 青七(クラブ7)20点、赤七(スペード7)10点。残りの2枚は0点。 8 青八(クラブ8)20点、赤八(スペード8)10点。残りの2枚は0点。 9 青九(クラブ9)50点、赤九(スペード9)10点。残りの2枚は0点。 10 釈迦十(クラブ10)50点、すだれ十(スペード10)10点。残りの2枚は0点。 11 青馬(クラブ11)50点、十之馬(スペード11)10点。残りの2枚は0点。 12 青きり(クラブ12)50点、十ノきり(スペード12)10点。残りの2枚は0点。
以上である。手役はなく、出来役は6種である。 札の点の合計は720点。つまり240点原点でやり取りをする。 思えば花札の原型はすべてこのときにできたのではあった。
出来役
1)団十郎 アザ・青二・釈迦十 2)下モ三 アザ・青二・青三 3)仲蔵 青七・青八・青九 4)上ミ三 釈迦十・青馬・青きり 5)赤蔵 赤七・赤八・赤九 6)海老蔵 アザ・海老二・釈迦十
困ったことに、点数が書いてない。その場で適当に決めると書いてある。 他のルールは、殆ど花札と同じである。
これでできそうでしょう? 皆さんも、花札で試せますので、ぜひ一度お試し下さい。 役代をどのくらいにしたらよいか、レポート下さると嬉しい。 ルールの疑問は、どうぞお尋ね下さい。
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