雙六手引抄33

№33  (←クリックすると底本画像が表示されます)

●○○○○○x○_____ あがり●●●●●●●●●●●● 
●○○___x○_____ 
______x______ 
______x______ 
______x______ 
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1 
______x______ 
______x______ 
______x______ 
___○○○x______ 
_●_○○○x______ 
内                外 

くろ 
一ぢの 
いし 
 とる 
  て 
 あり 
ふんへつ 
あるへし

[解説]
№33 は、白の必敗局面である。もし白の勝つことがあるとしたら、二つヒットできた場合だろうか。
二つヒットした上で、シャットアウトできれば何とか勝てそうではある。もし黒の向こう内一地の石がヒットできればいいわけだが、
そのような場面が作れるようにはとても思えない。「分別あるべし」と言われても困る。どだい無理なことを言っているように私には聞こえる。 
 尤も、図としては№29が白が上がっている局面だったのに対し、これは黒が上がっている局面であり、ルール分析上からは極めて貴重な資料である。
ただ高見先生によれば「1つ2つあがっているもっとありそうな局面がなく、№29やこれのように大量にあがっている局面だけなのは不自然だ。」 
ということになる。私も違和感は禁じ得ないが、ない物ねだりをしても致し方ない。ともあれ古棋譜に「石が上がっている局面」が遺されているのは
誠にありがたいことで、少なくとも17世紀後半の大阪では、「入り勝ち」ではなかったことがはっきり示されていると言えよう。 
(※延宝七年は1679年ですから、17世紀ですね。)

原文:くろ 一ぢのいし とるてあり ふんへつあるへし 

直訳:黒一地の石、取る手あり。分別あるべし。

[コメント]
M:一応、できます。例えば問題図で黒の23pの駒が8pにあったと仮定し、そこで黒が41をふれば8/4* 1/offとプレイするしかないので、
そのあと2枚拾うことは可能です。確かに難しいですが、バックギャモン負けがないならば狙う手は考えられるでしょう。
期待値は落とすかもしれませんが、ゲームとしては、それを狙って勝てたらものすごく楽しいと思います。

草:なるほど、そうなれば…  確かにギャモン負けもバックギャモン負けもないので、狙いたいですね。
できたら凄いけど、とても薄いなあ。いやだからこそ、ここから勝てたら感動ものですね。面白い!

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