鹿狩り のルール :草場 純 (転載:96/01/27 FGAMEより) 「鹿狩り」は正式な名を「中原逐鹿」と言うそうです。
人数は4人。向かい合いどうしが組むパートナーシップゲームです。使うのはチャ イニーズドミノ、いわゆる天九牌1組32枚です。ゲームのあらましは、まず親を決め、 ある方法(後述)で一人八枚ずつ牌を取って親から一枚ずつ場に出していきます。出す 札に制限はありませんが、必ず一枚ずつ反時計回りに出していきます。4人の札が出 揃ったら、その中の1番強い札を出したプレーヤーが4枚を取り、伏せて手元におき ます。これはもう手札には入れません。勝ったプレーヤーが次のリードをし、同じよ うに反時計回りに手札を出していきます。つまりスートのないトリックテーキングゲ ームといった感じです。スートがないのでフォローの義務もないし、リボークするこ ともないのは安心ですね。こういう勝負を8回繰り返すと全員の手札がなくなるので、 一勝負が終わります。パートナーどうしで取り札を一緒にして、自分たちの得点を計 算します。実際には得点の差だけ現金をやり取りするそうですが、われわれがやる場 合は得点の差だけ記録していって4ディールの総得点を競えばいいでしょう。あるデ ィールが終了したら、得点を計算した後、全部の札を伏せてよく混ぜ、最初の親の右 隣のプレーヤーに親をかえてまた八枚ずつ取って同じ事を繰り返します。必ず4ディ ールで終了します。現金を賭けている場合も、4の倍数のディールをやるということ です。 次に札のつよさと点数について説明します。札の強さは6-6が最強で、次が6-5、 次が6-4、そして6-3、6-2と行って、6-1の次が5-5です。それから5-4、 5-3と行って、5-1の次が4-4というふうになります。つまりドミノの目の大きい 方で比べ、それが同じときは小さい方で比べるのです。一番弱いのはもちろん1-1で す。同じ回(トリック)に同じ札が出た場合は、先に出た方が勝ちます。次に点数です が、天九牌には赤い目と黒い目があります。この赤い目(このゲームでは赤い目のこと を「鹿」といいます)がそのまま点数です。通常1と4と6-6の半分が赤ですから、一 番点数の高い札は4-4の8点です。次が6-6の6点で次が4-1の5点でしょうか。 こうして面白い現象が起こります。6-6は強くて点が高い。6-5は強くて点がない。 4-4はあまり強くないが点が高い。1-1は点はあるがとても弱い。6-4は点があっ て強い。などと色々な事になるのです。 ではやり方を詳説します。まず座席とパートナーを決めます。本場ではパートナー は初めから決まっていて、座席と起家だけをダイスを3つ振って決めるようです。我 々はジャンケンでいいでしょう。起家=最初の親が決まったら、32枚の札から6-6を 2枚とも抜き出します。残った30枚を伏せてよく混ぜ、半分に分けます。つまり15枚 ずつにするのですね。その15枚ずつの二つの山にさっきの6-6を1枚ずつ入れて混ぜ 再び16枚ずつの二山にします。その16枚の山をさらに2つに分け、その8枚ずつをパ ートナーどうしで分け合います。文にするとややこしいですが、要するに8枚ずつを 取るのだけれど、どちらか一方のペアに6-6が2枚ともいかないように予め分けて混 ぜているだけの話です。このゲームでは6-6は6-6以外には負けない強い札ですか ら、なかなか合理的な方式です。6-6だけでなく6-5、6-4、4-4も同じように 2つに分けてからそれぞれの16枚を伏せて混ぜ、8枚ずつに分けてペアで分け合うと いう念のいったやり方もあります。確かに敵の手が読めて面白いのですが、結局武牌 である6-3が配られた方が勝つじゃあないかという批判もあります。私はそうでもな いと思いますが、トータルで手の良い方が必ず勝つような気もしないではありません。 ただ技術の要素はかなりあると思います。さてそうしたら、親から1枚の手札をリー ドして勝負が始まります。あとは上記の通りです。私はとても面白いゲームと思いま す。私の仲間のO氏の意見では「天九牌を使った中で最も分かりやすいゲームだ。」 とのことです。私はこのゲーム(鹿狩り)は、赤い目に重要な意味があるので、 好きです。私にこのゲームを教えてくれた曲さんは、北京の方ですが、故郷のなんと かかんとか(失念。北京よりずっと西の方の町です。)で昔からやってたゲームだと言っ てました。是非お楽しみ下さい。 以上 |