ブリントバッテンを赤桐さんに教わったのは多分30年ぐらい前です。そのときみんなで「こりゃ破天荒なゲームだ」と驚きあったのを覚えています。切り札を知らないでトリックテイキングゲームをするなんて発想は、なまなかなことでは出てきません。チロルの人、偉い！ しかし私は５トリックというのが不満で、いずれ７トリックの「七枚バッテン」をやってみたいと思っていました。ただこのゲームのルールはとても理解しにくい。部分的マストフォローなのと、切り札のランク（シュラーク）があるので、何かと混乱するのです。私自身もしばらくたったら、ブリントバッテンの正確なルールは思い出せなくなっていました。それで長年放置したのです。
『トランプゲーム大全』が出たとき（正確にはそれを校正しているとき）ブリントバッテンのルールを見ましたが、これは正しく書かれているのにもかかわらずとても分かりにくいものでした。なぜならそれはチロリアンバッテンのバリエーションとして記述されているからです。ブリントバッテンをやるためにはまずチロリアンバッテンを理解しないとなりません。つまりワンステップ余計に必要なのです。これは憶測ですが、チロリアンバッテンにたどり着いた人もそのバリエーションと書かれたブリントバッテンを、やってみないのではないでしょうか。ここを救ってくれたのがトランプ勉強会です。この会は古いゲームを順にやる会なので、大本のババリアンバッテンから試してみることができました。
トランプ勉強会では９月にババリアンバッテン、10月にチロリアンバッテン、11月12日にブリントバッテンをするとができました。ご多分に漏れずこの12日にはコロナの影響で、私、秋山さん、キリンさんと三人しかいません。そこで二人ゲームなどをやっていたところに、やぬさんが現われ、私は即座にブリントバッテンの説明を始めました。30年ぶりの蘇演です。そしてこのとき、ディーラーの左隣に「キャプテン」の用語を与えました（これはギャモンのシュエットの用語）。いちいち「ディーラーの左隣」ではまだるっこいからです。さて、果たして、結果は案の定 絶賛！ かの秋山さんが「私の生涯トリテベスト10に入る。」と即座に断言したくらいです。
そこで私は「七枚バッテン」と名付けて、ルールを整備してサマリーを作り、12月27日の取手合宿に臨みました。チロリアンバッテンは13点先取です。またゲームの性格上ディーラーが１周しないとよくないので、取手では11点先取としました。最高１ディールで５点入るので、これならよほどのことがないと３ディール以下では終わらないだろうと踏んだのです。ところがゲームはやってみないと分からない。このゲームはディーラー側もキャプテン側も強い札を必ず持っているし、隠された情報があるので、なかなか簡単にはベストプレイができにくいのです。ために1点ずつ取り合う展開になりがちで、結果として11点では長すぎたのです。それで帰ってからサマリーを7点先取と改めました。
その後、寝床の中で考えました。７枚手札で７点先取、これは「ジーベン」バッテンでいいのではないか、と。
追記 今調べたら、30年前は言い過ぎでした。2004年ですから、17年前でした。でもそこにも「前代未聞のゲーム」と感想が書いてあります。
ジーベンバッテン誕生！（Togetterまとめ）
https://togetter.com/li/1648269
バッテンのルール(ゲームファーム)
http://gamefarm.jp/rule/watten.html
出典元
https://mixi.jp/view_bbs_comment.pl?comment_number=355&community_id=207561&bbs_id=11516061
https://mixi.jp/view_bbs_comment.pl?comment_number=356&community_id=207561&bbs_id=11516061