雙六手引書10
№10 (抄№ 8)
_●●●_●x○○___○
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1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
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_____○x_____●
___○○○x●__○●●
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内 外
書№10:四三 五三 しゆ三 しゆう四 でつくならばきりては二つひくべし 何六ならはきりはをひきいれべし
抄№8
_●●●_●x○○___○
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1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
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内 外
抄№8:四三 五三 重三 重四 重五 なら きれは二つひくべし なに六ならばきれはにひきて三ぢのいしを六と入へし とかく二つはになるやうにすへし
[解説]
この二つは、並べてみると極めて興味深い。「書」は図が、抄は文が間違っているらしいのだ。まず図だが、「抄」にある端石(ブロット)が「書」ではなくなってしまっている。
これでは「きりて」の部分が理解不能だ。この時代の「きる」は「ヒットする」という意味だが、書№10の図では、どこにもブロット(端石)がない。こればは切りようがない。
つまり「書」では、向こう内六地の黒石が手前外六地に移動してポイントを作っているのだが、恐らくこれは間違いであろう。
逆に、「抄」では「きれは」が謎だったが、「書」を見ると、「きりて、は」と「て」が入っている。つまり「きりは」には、「て」が脱落しているのだ。
尤も「脱落」と見れば間違いと思えるが、「省略」と考えれば、間違いとは言えない。
ともあれ、二つ並べることで謎が解けたのは、望外の幸運であった。と言っても、その次の「きれはにひきて」が相変わらずよく分からないのだが。
私には、抄8の説明は書10の図に、書10の説明は抄8の図にあっているような、不思議な混交を感じる。
ためしに1693年の『双六譜』を見てみると、図は「書」に同じで、説明は「抄」に近い。私にはこれが一番分かりやすい。
ただし、こうした異同がなぜおきたのかは、謎である。
譜8:四三 五三 重三 重四 重五ならは切は二つひくへし 何六ならは切はをひきて入へし
書10:四三 五三 しゆ三 しゆう四 でつくならばきりては二つひくべし 何六ならはきりはをひきいれべし
抄8:四三 五三 重三 重四 重五 なら きれは二つひくべし なに六ならばきれはにひきて三ぢのいしを六と入へし とかく二つはになるやうにすへし