雙六手引抄8
№8 (←クリックすると底本画像が表示されます)
_●●●_●x○○___○
_●●●_●x○○___○
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______
_____○x_____●
___○○○x___○●●
___○○○x●__○●●
内 外
四(しゅ)三 五三 重(しゅ)三 重四 重(てう)五
ならは きれは二つひくべし
なに六
ならば
きれはに
ひきて
三ぢの
いしを
六と入
へし
とかく二つはになるやう
にすへし
[解説]
№8 解答図① (43の場合)
_●●●_●x○○____
_●●●_●x○○____
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______ 注
_____○x___○_● ○
___○○○x___○●● ○ / ●_●
___○○○x●_○○●● ふたつは?
内 外
原文:四三 五三 重三 重四 重五 なら きれは二つひくべし なに六ならばきれはにひきて三ぢのいしを六と入へし とかく二つはになるやうにすへし
直訳:43、53、33、44、55、ならば「きれは」2つ引くべし。何6ならば「きれは」にひきて、三地の石を六と入れるべし。とかく「二つは」になるようにすべし。
この文章は私にはよく分からない。上記「直訳」も誤っているかも知れない。そもそも四三を「しゅさん」と振り仮名をしているのもおかしい。
「しゅさん」は三三の事であるべきだが、私に何か誤解があるのかも知れない。
まず単語の検討からいくが、「きりは」「ふたつは」が分からない。「二つは」は、「一荷」のことだろうか。これはバックギャモンには厳密に表す用語はないのだが、
石が二つだけ重なった状態で、上記注の白の状態を指しているのだろうか。それともそれは「きりは」のことで、「二つは」は「は」(端=ブロット)が二つある状態、
すなわち上記注の黒のような状態を指すのだろうか。この○と●では、戦略的には正反対というべきなほど、意味が違う。困ったことだが、ここでは性急に結論を出さずに、戦況を見てみよう。
まずピップだが問題図の状態(白がダイスを振る前)で、白144ピップ、黒121ピップであり、白が圧倒的に遅れている。そして局面は双方かなりインナーの堅い、
双方がアウターをブロックし合っている、ホールディング合戦とでもいうべき状態である。こういうときはどうプレーすればよいのだろうか。
私だったら手前外六地の黒の端石を切る(ヒットする)ことを考えるが、それではだめのだろうか。とりあえずピップを稼ぎつつインナーを固めるのが、王道のような気がするのだが。
№8 参考図① (43の場合)
_●●●_●x○○___○
_●●●_●x○○___○
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
_____○x______
_____○x_____●
___○○○x____●●
___○○○x○___●●
内 外
手石●
6通りのリターンヒットがあるが、それ以外なら4プラを作れそうだ。
「二つ引く」を根拠に、「きれは」を角石(かどいし=ミッドポイント)の2個と想定して、解答図を示してみよう。
№8 解答図① (43の場合)
_●●●_●x○○____
_●●●_●x○○____
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______
_____○x___○_●
___○○○x___○●●
___○○○x●_○○●●
内 外
№8 解答図② (53の場合)
_●●●_●x○○____
_●●●_●x○○____
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______
_____○x___○_●
___○○○x___○●●
___○○○x●○_○●●
内 外
№8 解答図③ (33の場合)
_●●●_●x○○____
_●●●_●x○○____
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x___○__
_____○x___○_●
___○○○x___○●●
___○○○x●__○●●
内 外
№8 解答図④ (44の場合)
_●●●_●x○○____
_●●●_●x○○____
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______
_____○x_____●
___○○○x__○○●●
___○○○x●_○○●●
内 外
№8 解答図⑤ (55の場合)
_●●●_●x○○____
_●●●_●x○○____
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______
_____○x_____●
___○○○x_○_○●●
___○○○x●○_○●●
内 外
最善手かどうかは分からないが、確かに感じは出ている。だとしたら、どうして角石と言わずに、
「きれは」などという耳慣れない単語を使ったのだろうか。それとも耳慣れないのは現代人の私だけなのだろうか。
次の「何6ならばきれはに引きて、3地の石を6と入べし」は、ますます分からない。「きれは」がミッドポイントならば、
きれは「に」引きての「に」は何だろうか? 「を」ならまだ分かるのだが。また「何6」は6がらみ全てということだろうが、
61と62の場合だと1や2ではミッドポイントは動かせない。
後半は逆に分かりやすい。ありがたいことに3地の石は一カ所しかない。だが、その意味するところは難しい。
№8 解答図⑥ (65の場合)
_●●●_●x○○____
_●●●_●x○○____
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______
___○_○x_____●
___○○○x____●●
___○○○x●○_○●●
内 外
№8 参考図② (65の場合)
_●●●_●x○○____
_●●●_●x○○____
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______
_____○x_____●
___○○○x___○●●
___○○○x○○_○●● 手石●
内 外
私には解答図よりも参考図の方がよいように思えるのだが、どうだろうか。
「とかく二つはになるようにすべし」の「二つは」は、果たして「ブロット2つ」なのだろうか。
№8を、「きれは」をミッドポイント、「二つは」をブロット二つとして意訳してみよう。
原文:四三 五三 重三 重四 重五 なら きれは二つひくべし
なに六ならばきれはにひきて三ぢのいしを六と入へし とかく二つはになるやうにすへし
直訳:43、53、33、44、55、ならば「きれは」2つ引くべし。
何6ならば「きれは」にひきて、三地の石を六と入れるべし。とかく「二つは」になるようにすべし。
意訳:43、53、33、44、55、はミッドポイントから2つ引くべきだ。
6がらみを振ったならば、ミッドポイントに?引いて、10ポイントの石を6と入れるべき。一般的にブロットは二つ残すべきである。
正しいことを言っているのであろうか?