雙六手引抄16
№16 (←クリックすると底本画像が表示されます)
_●●●●●x_____○
_●●●_●x_____○
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______
_____○x_____●
_○○○○○x●○___●
_○○○○○x●○___●
内 外
▲何五をは二つひき何六なら
ははひきて入るへし
てきの
一六 重一
をおもふ
べからす
かやうに
うたさ
れは 敵(てき)
はを□
ひて後(のち)
はを出し
とられまくる也
[解説]
これは資料の不鮮明な所がある。それで、全く同じ図の「双六手引書幷裁物覚」№18を見てみよう。
(№は私が振ったもので原著にはない。) 図は同じなので省略する。
何五をば 二つ引き
何六ならばひき
て入べし てき
の一六 でつちをお
もふべからず か
やうにうたざれば
てきはをあひ
てのち はをいだ
してとられて
まくるなり
□は あ であることが判明した。
№16 解答図① (例えば53を振ったとして)
_●●●●●x______
_●●●_●x______
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______
_____○x_○___●
_○○○○○x●○___●
_○○○○○x●○_○_●
内 外
原文:▲何五をは二つひき何六ならばはひきて入るへし てきの一六 重一をおもふべからす
かやうにうたされは 敵(てき)はをあひて後(のち)はを出しとられまくる也
№16 解答図② (例えば63を振ったとして)
_●●●●●x_____○
_●●●_●x______
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______
___○_○x_____●
_○○○○○x●○___●
_○○○○○x●○___●
内 外
これはミッドポイントを進めよ、という教えで分かりやすい。53で8ポイントを外したりすると、敵がインナーブロットをカバーした後に
ばらけたミッドポイントを打たれたりして、負けてしまう。これはホールディング(ブロッキング)ゲームの基本で、
進んでいる白は早目に逃げるべきであり、黒にインナーブロットがある今がそのチャンスだ。
解答図②(つまり白6がらみのあと)黒に61や11を振られたら最悪だが、それにおびえて今ミッドポイントをクリアしようとしないと負けちゃうよ、
というのも正しいであろう。
原文:▲何五をは二つひき何六ならばはひきて入るへし てきの一六 重一をおもふべからす
かやうにうたされは 敵(てき)はをあひて後(のち)はを出しとられまくる也
直訳:何五をば二つ引き、何六ならば端引きて入るへし。敵の一六、重一を思ふべからず。
かやうにうたざれば敵、端を合ひてのち、端を出しとられ負くる也。
意訳:5がらみはミッドポイントを2つとも進め、6がらみはミッドポイントの1つをインナーまで進めよう。敵に61や11が出たら酷いが、
それは考えるな。こうしないと、敵が5プライムを作った後で、こちらにブロットが生じたとき、ヒットされて負けるだろう。
№16 参考図① (53を振った場合)
_●●●●●x_____○
_●●●_●x_____○
_____●x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______
__○_○○x_____●
_○○○○○x●____●
_○○○○○x●____●
内 外
白は66・11以外のぞろ目を振らないと、向こう外一地の角石が苦しい。黒は1がらみか、7を振れば向こう内五地を作れる。
端を「出し取られる」という言い方が、実に感じが出ている。
№16 参考図② (白63で解答図としたあとの黒11)
_●●●●●x_____●
_●●●●●x______ 手石○
______x______
______x______
______x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
______x______
______x______
___○_○x______
_○○○○○x●○___●
_○○○○○x●○___●
内 外
これは確かに酷いが、こういうことは考えないことにしよう。(笑)