雙六手引抄1
№1 (←クリックすると底本画像が表示されます)
○____●x_●___○
○____●x_●___○
_____●x_●___○
_____●x______
_____●x______
1 2 3 4 5 6 6 5 4 3 2 1
_____○x_____●
_____○x_____●
_____○x_○___●
●____○x_○__○●
●____○x_○__○●
内 外
しょてに
重二(ちうに)は
ひくがよし四六
一六四一
てつちに
とくあり
[解説]
「初手22を振ったらミッドポイントからの2メンダウンがよい」という意味であろう。これのムーヴを「ひく」と表現している。
棋譜的には「向こう外1地から、手前外2地に2個おろす」と述べるのが正確なのであろう。
次の46、41でバーポイントを作れて得だと言っているのは、納得できる。
11はどちらにしろ良い目だが、手前外2地に一荷あるので(端石がないので)、
安心して手前内5地でも手前外6地(バーポイント)でも作れるよ、ということであろう。
16もバーポイント(手前外六地)を作れるので元々よい目なのだが、ここでは5ポイント(手前内五地)を作れると
言っているのであろう。
この図で大事なのは、初期配置が正確に推定できるということで、実はきちんと初期配置が描かれているの古式図は
1811年の双六独稽古と、1800年頃と目される双六口授しかない。しかしこの図によって1679年にも、
盤双六が現在のバックギャモンの初期配置と同じであったことが証明できる。ただしここで謎なのは、
国会図書館にあってこの『双六手引抄』の重版あるいは類版と見られる『双六手引書幷裁物覚』の該当するこの図が、
いわゆる「大和配置」になっていることで、その理由は私には分からない。